東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

私たちの声を国会に届けよう
第18回 東京民医連青年国会行動研修開催
“政治を身近に感じられた”“選挙だけが政治じゃない”

困難の背景を見極める力を

 毎年恒例となった東京民医連青年国会行動研修が5月17日に、千代田区永田町にある星陵会館にて行われました。各法人から4月に入職した職員など、参加者215人を含む、総勢296人が参加しました。
 冒頭、東京民医連田邊文江副会長が挨拶し、「皆さんもこれから、患者さんや地域の人びとを通して様ざまな課題や困難に出会うと思います。今日をきっかけに、人権感覚を磨いて患者さんや人びとの困難の背景に何があるのかを見極める力を付けてほしいと考えています」と期待の言葉を送りました。

 

何のために誰のために

 その後、東京民医連理事の谷川智行医師より講演がありました。講演では、「政治ってどんなイメージですか?」や、「人の命は平等だと思う?」「どんな家庭に生まれても必要な医療を受ける権利がありますか?」「年金・資産がある高齢者と、お金のない高齢者は、医療にかかれる権利は平等ですか?」など、参加者への問いかけがあり、周りの人と簡単なディスカッションになる場面も。そのうえで、日本国憲法25条の条文を紹介し、国民の権利と国の責任について分かりやすく説明がありました。

 

この小さな一歩に大きな意義が

 講演後、参加者は議員要請に出発です。この日のために、すべての法人で事前に学習を積んできました。それでも、いざ議員会館に入る時には緊張します。
 この日は、衆参ともに委員会があり、参議院は午前に本会議もありましたが、実際に16人の国会議員本人に陳情できました。その他は秘書対応となってしまったものの、参加者はそれぞれ自分の言葉で思いを伝えました。
 今回は、『憲法をいかして安全・安心の医療・介護の実現を求める要請書』をもって回りましたが、賛同議員は35人となっています。
 初めのうちはドキドキと緊張していた参加者も、事前学習で積み重ねた思いをぶつけます。感想文には、「政治家の人って、怖いイメージがあったが、私がお話しした議員は、現場のことを知りたいという思いが強い人だった。次の機会があったら、もっとしっかりと現場の声を伝えたい」や、「初めての経験だったが、請願することが国民の権利として認められていて、自分の伝えたことが少しでも議員に考えてもらえるきっかけとなったのなら、この小さな一歩はとても大きな意義があると思った」などと、当初の印象と違って、政治を身近に感じた感想が多くありました。

 

今後は議員に伝える工夫を

 議員要請後は各法人で集まり、まとめを行いその後、全体会で恒例の報告会を行いました。各法人からの報告では、「事前学習で貧困をテーマに学んで本日の研修に望みました。国の支援が地域や家族の負担に代わる恐れがある地域共生社会についても考えを深めてきました。事前の署名活動では小学生に声を届けて欲しいと言われた。今日参加して、声を届けることが大事だと思った」(東京保健生活協同組合)、「今日の研修を通して、学んできたことや仕事に対しての原点を忘れずに、今なお困難な人たちがいるという現状を捉え、民医連の職員として無差別平等の医療を追求していきたいと思った」(東京保健会)、「事前に政策と理念を調べて行った。社会保障について言及している人が少なかった。今後は、そういう議員に伝える工夫をしていきたい。」(城南福祉医療協会)など、どの法人からもイキイキとした報告がありました。

 

引き続き声を届けましょう

 2017年6月15日、与党は強行採決で共謀罪法を成立させました。秘密保護法、戦争法(安保法制)など立て続けに強行し、安倍政権による“戦争する国づくり”が進んでいます。それと連動するように、社会保障制度は引き下げられ続けています。
 患者の困難を生み出している背景について、それぞれの職場で意見を交流し、地元自治体や国会へ声を届けていきましょう。