東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

東京都議会議員選挙の結果について
~引き続き「くらしと福祉を優先する都政」実現のため奮闘しましょう~

 東京都議会議員選挙(定数127、42選挙区)は7月2日に投開票され、自民党が現有57議席から過去最低の23に減らす歴史的大敗、小池都知事が代表を務めた都民ファーストの会が現有6議席から追加公認も含め55の大幅増で第一党に、公明党は23議席で現有確保、共産党は存在感を示して2増の19議席、民進党は5で現有7議席を維持できずという結果になりました。都民ファーストの会は公明党や生活者ネットなどを合わせた知事の支持勢力で79議席となり、過半数を上回りました。投票率は前回より7ポイント高い51・28%でした。
 東京民医連は、今回の都議選には「3つの意義」があると位置づけてきました。
 第1は、安倍首相の改憲発言に対し、9条改定は不要だとする民意が問われる選挙であることです。結果は改憲勢力の自民党に厳しい審判が下りました。それだけでなく、都議選直後の安倍政権の支持率はあっという間に危険水域ともいわれる30%台に下降しています。
 第2は、豊洲移転問題です。人体に危険を及ぼす有害物質が検出され続けている土壌汚染は、無害化できないことが明らかになっており、移転を中止し築地市場で再整備するよう訴えました。結果として政党で唯一「築地市場の豊洲移転を中止し、築地市場を未来に向けてしっかり継承していく」と掲げた共産党が議席を増やしたことは極めて重要だと考えます。
 第3は、医療と福祉の問題です。石原元都知事以降、猪瀬・舛添と続いた都政は、巨大開発優先で医療と福祉を大後退させました。なかでも高すぎる国保料のため、滞納者割合が全国平均より5・2ポイントも高く、猛烈な受診抑制につながっている実態から大きく切り替えるチャンスでした。これについては今後、新しい都議会へ要求していく必要があります。
 この選挙では元民医連職員(作業療法士、医学対事務、看護師の3人)が「都政を変えたい」と立候補し、大田病院看護師の藤田りょうこさんが見事当選を果たしました。他の2人は惜敗しましたが、それぞれ大健闘・大善戦しました。改めて奮闘を称えたいと思います。
 最後に、「東京大改革」を掲げ第一党となった都民ファーストの会ですが、何をどう「大改革」するのか明らかにしていません。豊洲移転、オリンピック・パラリンピックへの税金投入、圏央道建設費など問題が山積しています。これまでの逆立ちした都政のまま変わらないのではたまったものではありません。何としても開発優先の都政から「くらしと福祉を優先する都政」に転換させるよう全力で都議会へ要求していきましょう。