東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

年頭にあたって
東京民医連会長 根岸 京田
誰一人取り残されない公正な社会を

 東京民医連の職員、共同組織の皆様、明けましておめでとうございます。
 昨年の世界情勢をどう考えれば良いのでしょう。米国と北朝鮮の融和が実現できそうになったかと思えば、米中の貿易戦争が始まり世界経済を揺るがせています。歴史の中で人類が積み上げてきたガラス細工のような世界のバランスが、ごく少数の為政者のためにいとも簡単に崩壊するのだということをまざまざと見せつけられました。それは日本も例外ではなく、辺野古では再三再四、基地建設反対の民意が示されたにも関わらず、埋め立て工事が再開されてしまいました。
 多様化する時代に民主主義というシステムが十分対応できないようにも見えますが、諦めてはいけません。一昨年の衆院選挙以来の野党共闘は確実に進化しています。5月3日の憲法集会には6万人が集まり、3000万署名は1500万を超えて更にその数を伸ばしています。
 9月には沖縄県知事選挙が行われ、東京からも多くの支援者が駆けつけました。玉城デニー氏の勝利は、日本全国の多くの市民を勇気づけました。今年は参院選挙・一斉地方選挙が予定されています。現在の政治的閉塞感を打ち破り、政治を市民の手に取り戻す大きなチャンスです。積極的に取り組んでいきましょう。
 東京民医連は、「医療・介護の2つの柱」を前進させ、SDHやHPH、民医連総会方針の学習会や様々な教育企画を行ってきました。また、無料低額診療、相談活動や居場所づくりを通じて、地域社会との連携が進みました。現代の医療・介護は社会とのかかわり合いなしに、単独に存在することはできません。
 無差別平等の医療・介護を実践することは、病気や社会的孤立を引き起こす健康の社会的決定要因の改善を通して、誰一人取り残されない公正な社会をつくることに他なりません。私たちの日常が地域社会につながっていることを意識しながら、業務や運動に取り組んでいきましょう。