東京民医連

ニュース

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 今年の防衛白書には「戦略三文書の策定後、最初の防衛白書であり、戦略三文書策定の経緯や概要を記述しています」と添え書き、P・1には5年間で43・5兆円もの費用をかける表が載っている▼一方、厚生労働白書には「1兆円超程度の財源を確保し、新制度に基づく幼児教育・保育・地域の子育て支援の更なる充実を図ることとしている」と、新規事業で予算に言及している文言はこの一文くらいしか見当たらない。他にも何か実施するだろうが「金満な」防衛白書の勢いとは段違いなのだ▼厚生労働白書では「1990(平成2)年には、前年における合計特殊出生率が1・57となったことが公表され(1・57ショック)…」と記されている。その頃生まれた人たちは今20代から30代。また白書では若者の意識の変化で「結婚意思を持たない若者の割合は男女とも増加傾向にある」とする一方で「20歳代や30歳代の若い世代が理想の子ども数を持たない理由は、『子育てや教育にお金がかかり過ぎるから』が最大の理由となっており…」とも記している。要はこの30年間、若者が結婚や子育てするといった展望が全く持てない国づくりをしてきたよ…と白書は示しているのではないか?子育ても防衛も先行投資と例えるならば投資先を誤らないよう正論を唱えてゆく外あるまい。(酒)