東京民医連

ニュース

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

迎春
ブロック通信
2024年の抱負

北中ブロック
感染症に強い医療体制を
健康文化会理事長 篠田 格

 昨年の5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法の2類から5類に変わりました。新型コロナに対する補助金が削られ新型コロナの医療費も自己負担が発生するようになりました。5類になっても感染力が弱くなったわけでなく、昨年も2度も大きな流行の波を作っていました。
 一昨年の夏に南半球でインフルエンザが流行したので、冬に日本でもインフルエンザも流行すると予測され、案の定2~3月頃にインフルエンザA型の流行がみられました。しかし、普通なら、国内のインフルエンザは4月頃には一度途切れるのに、毎月少数でしたが陽性患者が続きました。9月から近隣の小学校で学級閉鎖があった程の流行がみられ、10月も11月も流行がみられました。昨年流行のインフルエンザはA型がほとんどでしたが、A型に2回罹患する方がいました。A型は現在2種類あり、その2つに罹患したようです。
 昨秋から冬にかけ、アデノウイルス感染症と溶連菌感染症が例年になく大流行して、これらの感染症のどれかを順番に罹患して毎月発熱していた子もいました。インフルエンザの抗原検査キットが一時不足し、アデノウイルスの抗原検査キットや溶連菌の検査キットが不足し、発注しても入荷しないときがありました。
 知っておられるかと思いますが、いろいろな処方箋薬が不足しました(現在進行形かもしれません)。小児用の散剤もいろいろ足りなくなって、解熱剤のアセトアミノフェンや抗生物質や抗ヒスタミン薬などの散剤、エッと思うような薬も不足して困りました。
 今年は、いろいろな感染症に対して強い医療体制であってほしいし、処方薬や検査キットが安定的に供給されることを望みます。

 

三多摩ブロック
「平和」「健康」の権利を守る年に
運営委員長 向山 新

 去年の漢字は「税」でした。インボイスや、増税・減税と確かに話題にはなった。
 しかし、個人的には昨年も「戦」 ウクライナの戦闘は続いているし、ガザでの出来事もかなり心配な状態。この原稿を書いた日に、北海道パレスチナ医療奉仕団の猫塚医師の講演を聴いた。
 パレスチナのおかれている現状にあらためてショックを受けた。パレスチナに違法に入植したイスラエルによって作られた壁に囲まれた東京23区の6割ほどの狭いガザ地域に222万人が閉じ込められ、イスラエルの軍の監視下、天上のない監獄といわれる状態で生活している。
 今回の蛮行に対しては、ジェノサイドを生き延びたユダヤ人による新たなジェノサイドだという声も上がっている。しかし、イスラエルに近いアメリカの反対で国連安保理の停戦決議も否決されている。
 日本こそ、憲法前文にある「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する」との原点に立ち、平和主義を堅持し、今日のウクライナやガザにおける戦争犯罪やジェノサイドを許さない姿勢をとり続けるべきである。
 最後に、昨年の三多摩ブロックの漢字は「水」でしょうか。
 PFASの問題にいち早く取り組んで、全国的な活動に先鞭を付けた。先日も、大学の同期の岡山の県連会長から、PFASの取り組みについての問い合わせが来た。12月1日には、多摩地域150カ所の地下水・表層水濃度調査結果を発表した。横田基地南東の井戸が最高値であった。同じく12月1日に、WHOの国際がん研究機関(IARC)がPFOAを発がん物質、PFOSを発がん性の可能性のある物質に分類した。国としての規制を求める運動を進めて行きたい。

 

東東ブロック 
故郷の風景を思いながら
運営委員長 濱砂 一光

 2023年は、前年に引き続き、時間を見つけてはあちこちのミニシアターでドキュメンタリー映画を観ていました。その中の一つで「銀鏡」(“しろみ”と読みます)という映画を観ました。何のことはない私の故郷のドキュメンタリー映画で、知っている人ばっかり出ています(というかその村に知らない人は居ません)。村最大の祭「神楽」を中心に人々の暮らしを淡々と綴っています。私が不思議な気持ちになったのは、映画そのものではなく、その風景でした。山々と猪と鹿のいる銀鏡と、ビルと人ばっかりの東京。人口200人ほどの銀鏡の画面を1000万人を超える東京の人が観てる(実際観た人は観客席100席x放映7日間=700人程度ですが、これでも村の人口より遙かに多い)。映画の後は、監督と銀鏡地元民とのトークショーがあり、地元民と身バレした私(顔が似ているからと思われます)も、なぜか銀鏡について語る羽目に。
 そして、12月14日にはその銀鏡で「銀鏡神楽」大祭が行われると、聖地巡礼よろしく、多くの人たちが訪れました。
 田舎人の私としては、この僻地に観光客がやってくるのは誇らしく経済的にもありがたいのですが、同時に、無遠慮な都会人に苛立ちも感じます。そんなに自然の美しさと質素な人の営みに感動するのなら、移住してくればいいのに。でも、そんな人はまれです。が、そんなことを偉そうに言う自分自身は現在千葉に住んでおり、都会人として快適な生活を送っています。
 これが一体、なんでブロックの新年挨拶なのか?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、全く意味はございません。あえて言えば、年末年始に故郷へ里帰りし、しみじみしてきた方が、ちょっとだけ共感していただけたら嬉しいです。と言うわけで、2024年もよろしくお願いいたします。

 

西南ブロック
経営・運動・育成を一体で
事務局長 坂本 晋

 西南ブロックには6つの委員会があり「交流・共有」「交流を通しての発展」「知ることで考える職員の育成・成長」を基本に活動しています。昨年度も各会議を通して、様々なアイデアが出されました。事務部運営委員会では、各法人の自費扱いの料金、生協組合員割引、友の会割引などの法人ごとの違いが大きく、付け合わせして料金設定を変更しました。社保組織委員会では、各法人が刺激し合いながら「月間」に取り組んでいます。
 大きな取り組みでは、昨年2月25日は第10回活動交流集会を開催し、90名が参加し各法人の特徴的な活動を報告しました。
 研修に力をいれる看護部会は、昨年3月11日に、川崎協同病院の和田浄史医師を講師に「民医連のチーム医療の良さ・ここがいいなを再発見する」を開催し、とても好評でした。今年1月は「アサーティブコミュニケーション」をテーマに行います。
 薬剤師部会も、毎年テーマを設けて交流会を行っており、今年1月に心不全をテーマに交流会を行う予定です。
 運営委員会は、民医連の方針を具体化し、沖縄知事選挙への支援2名、赤ひげ公演などに力を入れてきました。
 今年の課題は盛りだくさんで、「事務交換研修」「診療所点検」「荒野に希望の灯をともす(映画会)」「第11回活動交流集会に向けた実行委員会結成」などです。「平和の課題」や「環境問題」「ジェンダー」…など広い視野を持って取り組んでいきたいと思います。
 経営的に厳しい法人が多く、「まずは経営改善」となりますが、経営、運動、職員教育などが、一体的に進んでいけばと思うところです。