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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 元日の夕方におこった能登半島地震。幹線道路が寸断され救援が滞り、長期間孤立した集落がいくつもあり、被害の全容もつかめない。1か月余りが経過したいまも現地への支援は行き届かず、水道や電気の復旧も遅れ、被災者は過酷な環境におかれている。過去の大震災の教訓が生かされず、加えて「高齢化」「過疎化」した地域を災害が襲ったときの問題が浮き彫りになった。石川県では水道の耐震化が進んでいなかったそうだが、基本的なインフラ整備は自治体任せにせず、財政支援も含めて国や県が指導できなかったのだろうか▼避難所の環境も、日本は根本から見直す必要がある。体育館に雑魚寝、食事は冷たい菓子パンやおにぎり、というスタイルは数十年間変わっていない。同じく地震大国のイタリアでは、災害直後から各個人にベッドや温かい食事、清潔なトイレが提供される仕組みを整えているそうだ▼南海トラフ地震、首都直下型地震と、日本ではいつ大地震が起こっても不思議でない。さらに近年は異常気象で水害の規模も頻度も増している。都市部、過疎地、それぞれの地域の実情に合わせた災害対策を組み立てて備えていかなくてはならない。国や自治体には、国民の命と生活を守ることを最優先にお金の使い方と制度設計を考えてほしい。(香)