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奨学生OB・OGレポート
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立川相互病院産婦人科 長坂康子
私の6年間の奨学生ライフで得たものは、おおざっぱに言うと2つ。かけがえのない経験を共有できた友人達と、常に立ち戻ることの出来るある「気持ち」でした。

医学部で何年間も同じ空気を吸っているとだいたいどうして医者になろうと思ったのか忘れてしまったり、そもそもそんなこと考えなくなってきたりします。病院実習に行ってみても、様々な勉強会に参加しても今一つ自分の将来と重ならない、そんな風に感じたことはありませんか?私は、ズバリそんな学生でした。

4年生の時に、民医連の企画で阪神・淡路大震災から3年後の神戸に行ってみないかと誘われました。当時の神戸の郊外には、ほったての仮設住宅がまだたくさんありました。震災で住み慣れた街や仕事を失った中で、3年経っても自力で生活を建て直すことが出来ずにいる人々が、不自由な仮設住宅での生活を余儀なくされていました。老人世帯や低所得の人々が肩を寄せ合って暮らしており、孤独死が問題になっている時期でした。時間が空いていたという理由で気軽に参加したのですが、何度も仮設住宅に通うこととなり、様々な人々に出会いました。当時、一緒に通った友人達も私も、不思議と勇気や元気をもらって帰路に就く、そんな日々を重ねました。ある時、仮設住宅に住む女性が「難しいことが出来なくたっていい、私らを診てくれる医者になって欲しい」とつぶやきました。この言葉が当時の私の心に響き、私を待っているのはこの人達だとすんなり胸に落ちたのでした。

医者になって3年半経った今でも、患者さんに仮設住宅の人々を重ねることがしばしばあります。あの頃私が経験したものは、奨学生活動でしか得られない、とは思いません。でも、奨学生活動が自分の医師像のヒントとなることはあるでしょう。医学部生活が煮詰まっている方、ヒントを見つけに来ませんか?

 
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