PFAS 特設ページ
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PFASとは
PFAS(ピーファス)とは、有機フッ素化合物群の総称です。元々自然界には存在しなかった物質で、1940年以降米国で1万種以上製造されています。PFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)が最も多く商業的に使用されています。
PFASの特徴
水や油をはじく、熱や薬品に強い、光を吸収しない。自然環境下で分解されにくく蓄積しやすいため、『永遠の化学物質』(ForeverChemicals フォーエバー・ケミカル) と呼ばれています。
PFASはどんなことに利用されているか
上記のような性質から防水スプレー、フライパンや鍋のフッ素加工、包装紙など日常品にも多く利用されています。また、空港や軍事基地、石油化学工場などの泡消火剤や 半導体製造や工業製品の研磨剤などに利用されています。
健康への影響
工場や軍の基地から排水と共に放出されたPFASは、長く環境中に残り、地下水や河川水から取水した水道水を通じてヒトの体内に取り込まれます。発がん性などさまざまな健康影響の恐れがあり、世界的に規制が強められています。半減期は5年程度で長く体内に蓄積され健康に影響を及ぼし続けます。
日本での規制は遅れています。2019年に水道水の調査が始まり、基準も諸外国に比べて緩く、東京民医連は国や地方自治体の責任で汚染源の特定と除染、健康被害の実態把握することを求めています。
この配信は去る7月13日、昭島PFAS汚染から市民を守る会が開催した学習講演会、および7月31日東京民医連が開催した記者会見の様子を収録したものです。全国的な広がりを見せるPFAS汚染。私たちの健康、住み続けられる環境を守るため、いまこそ抜本的な対策が求められています。

健生会が学習資料「PFASガイドブック」を発行しました。
学習資料 PFASガイドブック
社会医療法人社団・健生会PFAS専門委員会
監修:小泉昭夫・京都大学名誉教授 原田浩二・京都大学准教授
東京民医連、健生会、病体生理研究所が記者会見を行いました。
昭島PFAS汚染から市民を守る会制作「PFAS学習講演&記者会見」~いまこそ全国レベルでの健康被害調査を~
東京都多摩地域を中心に、水道水に使われる地下水から基準値を超える有機フッ素化合物(PFAS)が検出されている問題で、東京民医連、健生会、東京保健会の病体生理研究所は7月31日、都庁で記者会見を行いました。
冒頭、東京民医連会長の根岸京田さん(全日本民医連副会長)があいさつ。「住民の健康不安が高まっている。都は環境調査、健康調査を」と訴えました。
健生会専務理事の松崎正人さんは、この日行った都への申し入れの結果を報告。汚染源とされている米軍横田基地に除染を求めてほしいとの要請にも都は「(国に)『必要な措置を、と言っている。必要な措置には除染も含まれる』とあいまいな回答。これでは伝わらない」と松崎さん。血液検査推進の要請にも「国がPFASの健康被害に関する評価を示していないので何もできないと、消極的な姿勢に終始」と憤りました。
京都大学名誉教授の小泉昭夫さんは、「PFAS汚染にどう立ち向かうか?」と題してレクチャー。近年、全国各地でPFAS汚染が報道されていることについて、汚染源には、米軍基地などの泡消火剤による土壌汚染や地下水汚染(主にPFOS、PFHxS)と産業利用や、産業廃棄物による汚染(主にPFOA)があると発言。「背景には、国と自治体の不作為と人権無視がある」「除染の議論は避けて通れない」と厳しく指摘しました。
この他、会見では健生会より、12診療所で行っているPFAS検査の実施状況を報告。7種類のPFASの合計で、結果の判明した69人中21人(30・4%)が米国科学アカデミーの基準で「特別の健康精査を要する」20ng/mLを超えていました。
東京保健会専務理事の藤井浩之さんは、今春、機器を導入したPFASの血液検査の説明を行いました。
(民医連新聞 第1812号 2024年8月19日号)
PFAS血中濃度分析装置導入のための募金のお願い
【募集期間】2024年9月末まで