東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

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 3月11日、宮城県沖を震源とする巨大地震が日本列島の東半分を揺らした。続いて10メートルを超す巨大津波が東日本太平洋沿岸を襲った▼地震は地球の身震いかもしれないが人間にとっては大きな脅威だ。今回はその災害に加え放射能という見えない脅威にさらされている▼日本で記録されている最古の地震は416年というから奈良時代より前になる。巨大地震もたびたび起こっている。その備えも長い経験から培ってきた。放射能による被害はあの忌まわしい原子爆弾の被害を除いても何回となく起こっている。その都度対策が講じられてきた。しかし今回の事故は世界一安全と言われた日本の原発の事故である▼人類が原子の火をともしたのは1942年。原子爆弾を製造するために使われ始めた原子の火。爆弾はエネルギー制御を考えていない。しかし、発電所での核反応は制御しなければ大きな災害をもたらす▼いま制御できなくなったエネルギーが災害をもたらしている。多くの住民を避難させ食物まで汚染している。暴走した原発を止めることは急務だが、飛散した放射性物質による内部被曝が脅威だ。その対策を早急に求めたい▼そして何よりも未だ制御しきれない核反応というエネルギーに頼り安全神話をふりまいてきた国と電力会社の責任を問いたい。(Y)