東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 梅雨があけた途端に、都内でも30度をこえる猛暑が続いている。熱中症への注意と対策が呼びかけられているが、在宅医療をうけておられる患者さんのことも気がかりである。生活苦のため電気代の節約で冷房を入れない人もいるという。いのちを削る思いで暮らす人がいる現実を、生活保護バッシングなどする輩に突きつけたい思いだ▼電気代と言えば電気料金の値上げである。自ら作りあげた原発の安全神話にしがみつき、あげくのはてに起こった福島第一原発事故の収拾もいまだつかぬまま原発再稼働を目論み、それができぬなら電力不足だ、料金値上げだと脅しつける。一方的な料金値上げは家庭にも病院・介護施設にも大打撃だ▼だが国民も黙ってはいない。最初は数百人規模で始まった首相官邸前の抗議デモは、関西電力大飯原発再稼働から急速に拡がり、「7・16さようなら原発10万人集会」には17万人、「7・29脱原発国会大包囲」には20万人もの人が参加した。団体等に所属しない「一般市民」の参加が特徴と言われるが、安全や健康に関わる切実な要求を声にして上げる、一国民として当然の権利の執行がそこにはある。参加する人々の表情はみな真剣で爽やかだ▼夏の暑さは、ほどほどに願いたいが、声をあげ始めた国民の熱さはひと夏で終わらせてはならない。(た)