東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

東京民医連 平和学校 佐賀・長崎フィールドワーク

進む戦争準備、原爆の怖さ実感

 今年で2回目となる東京民医連平和学校は、10月10日から2泊3日で佐賀・長崎フィールドワークをおこないました。受講生、実行委員あわせて19人が参加しました。

 1日目は、佐賀県にある九州電力玄海エネルギーパークを見学しました。玄海原発のPR施設として安全性を強調していました。見学の後は玄海原発対策住民会議副会長の仲秋喜道さんに、原発の持つ構造的・社会的問題と玄海原発の危険性をわかりやすく講演していただきました。
 2日目は、長崎県佐世保市の米軍・自衛隊基地を船でクルージングしながら見学しました。佐世保市議の山下千秋さんのお話しでは、港の80%は米軍へ提供されており地域の発展を阻害しているとのこと。岸壁に係留する多数の軍艦に受講生たちは驚いていました。
 3日目は、長崎市内の原爆遺構・碑めぐりをおこないました。地元の平和推進協会の方にガイドいただきながら、原爆資料館、浦上天主堂、旧長崎医科大学門柱、山王神社を回りました。資料館に展示されている写真や資料と市内の遺構に触れて、原爆の恐ろしさや悲惨さを実感しました。
 午後は長崎原爆松谷訴訟について、3歳の時に被爆した松谷英子さんと、長崎民医連の牧山敬子さんにお話しいただきました。
 原爆症認定をめぐるこの訴訟は、2000年に最高裁でも勝訴しました。松谷さんは右半身の障がいで、幼いころから差別をうけてきました。現在も日常生活でさまざまな困難をかかえています。
 「私たちのような被爆者を二度とつくってはいけない」と松谷さんは訴えました。

《受講生の感想》

 ◆1日目◆玄海エネルギーパーク、仲秋喜道さんのお話
 「安全神話をまだ言い続けていることにおかしさを感じた」(志村さつき苑・作業療法士)
 「(電力会社は)福島原発事故後も、まったく変わっていない」(東京健生病院・事務)
 「あらためて原発の恐ろしさを感じた」(代々木病院・放射線技師)
 「『原発は民主主義をこわす』という言葉が一番印象に残った」(相互歯科・歯科技工士)

 ◆2日目◆山下千秋さんのお話、佐世保基地見学
 「佐世保基地は戦争をする準備がほとんどできていると知り、非常に驚いた」(みさと健和病院・事務)
 「住民の犠牲のもとに基地や軍港は成り立っている」(大田病院・事務)
 「日本の漁港であるのに、米軍がほとんどを占領していることに怒りを感じた」(京浜診療所・介護福祉士)
 「TVや映画でしか見たことのないイージス艦など見てとても怖い気持ちになった」(志村さつき苑・作業療法士)

 ◆3日目◆碑めぐり、松谷英子さん・牧山敬子さんのお話
 「原爆の悲惨さや苦しみを忘れずに未来へ語り継ぎ、平和な暮らしを守っていこうというメッセージを感じた」(代々木病院・保健師)
 「医療・福祉関係者として、人々の傷から何を学びとるかが大切」(すこやか福祉会・事務)
 「原爆による被害は今なお続いている」(代々木病院・保健師)
 「今後、戦争や原爆を体験した人が少なくなっていくことに危機感を感じた。私たちが後世に語り継いでいかなければという使命感を感じた」(東京健生病院・事務)