東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

弱者に寄り添う志(こころざし)を持って
年頭にあたって
東京民医連会長 石川 徹

 新年あけましておめでとうございます。東京民医連は昨年、創立60年を迎えました。創立時の1病院29診療所から現在では344カ所の加盟事業所へと大きく発展しています。
 2000年代の社会保障をめぐる状況を改めて振り返ると、介護保険が2000年に開始、01年には小泉内閣が成立し社会保障費の毎年2200億円の削減、03年には健康保険本人3割の自己負担開始、08年に後期高齢者医療制度が創設、そして今、安倍内閣のもと「社会保障と税の一体改革」による社会保障の解体が進行しようとしています。
 「医療崩壊」「介護難民」―こんな言葉が一般化してしまいました。バブル崩壊以降「失われた20年」といわれますが、失われたものはお金ではなく、お金のことしか考えず大切なものへの国としての資源の投入を怠り、市場主義や競争原理で医療や教育・地域を崩壊させた、このように言えるのではないでしょうか。
 そういったなか、東京民医連は地域に依拠しすべての活動を共同組織とともに進めてきました。病院のリニューアルを見ても、中野共立病院、みさと健和病院、大田病院、王子生協病院とおこない、さらに現在、東葛病院、立川相互病院が具体的な準備に入っています。介護をはじめ各分野での活動も奮闘を続けています。また水俣検診・大気汚染・原爆症認定集団訴訟などにも積極的に取り組み、原発ゼロ・被災地支援・TPP反対・HPHとさらに運動を広げています。
 こういった私たちの力の源泉は、「無差別・平等の医療と福祉の実現をめざす」という民医連綱領にあり、その根源には私たち一人ひとりが人間として、また組織として弱いものに寄り添う「あたたかい」気持ち、志を持っているからだと私は思います。
 今年も初心を忘れず活動を続けていきましょう。