東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

「無差別平等の地域包括ケア」の実現を
年頭にあたって
東京民医連会長 石川 徹

 新年あけましておめでとうございます。激突の情勢といわれる中、今年もよろしくお願いします。
 昨秋、NHKで放映された『老人漂流社会』という特集番組で減らされ続ける年金制度の中、年金収入だけでは十分な医療や介護を受けることができず、生活そのものが困難である実態が「老後破産」と題して生々しくとりあげられました。番組では東京民医連内の事業所で往診・訪問看護・入院治療などを担っている方も紹介されました。ご主人がなくなられ、頼りにしていた息子さんも死亡、一人暮らしで病気をかかえ、不自由な体で一人では外出もできない状態。年金収入は月に7万円あまり、限られた費用の中、苦労してケアプランを作り、差額ベットのない民医連の病院に入院しながら在宅での生活を続けています。私が印象に残ったのは彼女の言葉です。その前に紹介された方々はそれぞれ「もう死にたい」と話されていましたが、彼女はこう言っています。「つらいけれども、生きられるだけがんばりたい。そのかわり皆さんに心配かける」。まさしく、民医連はそういった心配を積極的にひきうけていく、私たちが今まで果たしてきた、またこれからも果たしていかなければならない役割がこの言葉に現われていると思いました。
 今、政府は、国の責任で行なうべき社会保障を切り捨て「自助」を中心にした自己責任での医療や介護を推し進めようとしています。憲法25条を否定するものであり許すことはできません。私たち民医連は誰もが安心して住みなれた地域で住み続けられるまちづくり、そしてお金のあるなしに関わらない「無差別平等の地域包括ケア」の実現をめざしています。「いのち」「日本国憲法」「民医連綱領」この3つのものさしで時代を見つめ、県連としての次期の長期計画、各法人・事業所・共同組織の中長期の展望を作りだして歴史を前に進めていきましょう。