東京民医連

ニュース

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 ♪死んだ子どもの残したものは ねじれた脚と乾いた涙 他には何も残さなかった 思い出ひとつ残さなかった♪▼フォークソング世代は、民医連の中でも少数派となったが、名曲『死んだ男の残したものは』(谷川俊太郎作詞・武満徹作曲)の3番の歌詞だ▼当時、目を閉じてこの歌を聴くたび浮かぶのは、ベトナム戦争で米軍に焼かれる子どもたちや、被爆後の広島と長崎のモノクロ写真だった▼3月27日ニューヨークの国連本部で、歴史上初めて核兵器禁止条約を主題に国連会議が開催された。参加115カ国の多くが、早期に核兵器禁止条約を実現し全面廃絶の一歩を踏み出そうとの発言だった▼他方、世界で唯一の被爆国の日本政府代表は、「核保有国が参加していない」との理屈で、米国に追従した「条約反対発言」。あまりにも卑屈で悲しい▼会場の外では、条約に反対する米国や英国、フランスの核保有国の国連大使が反対会見をしたが、歴史に逆行する発言に説得力はない▼先の歌の4番♪死んだ兵士の残したものは こわれた銃とゆがんだ地球 他には何も残せなかった 平和ひとつ残せなかった♪▼「核を含むすべての軍拡は、際限の無い軍拡競争を生み、人類生存の脅威となる」というのが過去の歴史的真実だ。(も)