東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

春の全医師集会「医療介護の新しい二つの柱と医師養成」開催
“患者に、地域に、社会に 向き合うことが重要”

井上均副会長が開会挨拶

 4月22日、春の全医師集会がホテルベルクラシックで開催されました。初めに井上均副会長が、「国民をとりまく情勢の中、無差別平等を掲げ何よりも平和を大切にする民医連・医師集団の出番、『医療介護の新しい二つの柱』を日常活動に活かし、医師養成にも反映させていくことが必要」と開会の挨拶をしました。

 

医師養成は綱領実現の本質的な課題

 続いて、全日本民医連増田剛副会長が「医療介護の新しい二つの柱と医師養成」というテーマで記念講演。民医連が歴史の中で唱え実践してきた内容が、今はWHOはじめ世界的な視点となり実践されつつあること。そのような中で「医療介護の新しい二つの柱」は歴史的到達であること。健康格差を生む社会経済的要因を、基本的人権の立場から変革していく医師を養成することは、民医連綱領を実現していくうえで本質的な課題である事が話され、医師養成では「患者に向き合い地域に向き合い社会に向き合う」ことが重要と話されました。

 

3つの研修の修了報告

 初期臨床研修修了、基礎研修5年修了、歯科臨床研修修了のそれぞれの報告では、「知識・技術は大切だが、社会・経済・政治に目を向け、病気の背景をみていくことの重要性」「日常医療活動、職員との関わり、法人外、民医連外での研修を通して、地域医療の役割と民医連医療の存在意義、そして医師の使命を学んだ」「今後も、学び成長し地域・法人に貢献したい」など発言があり、嬉しく力強い内容でした。

 

多彩な活動報告

 各種活動報告では、(1)「ALS患者に家族指向性アプローチを用いて意思決定を支援した一例」、(2)「他職種・他施設参加によるデスカンファレンスの効果」、(3)「通院治療を中断していた患者とラポールが構築できた1例」、(3)青年医師の会「2016年度の活動報告で、学術運動交流集会と関東甲信越地協青年医師交流集会が大成功であったこと、運営委員の活動報奨の要望」、(4)奨学生から「奨学生活動を通して、民医連の医療活動を実感し医師像を考える場となっている事、今後も医師はじめ職員の協力の要望」などありました。

 

いのち・憲法・綱領は譲れない

 最後に、山田秀樹医師委員長が閉会挨拶し、次のように述べました。本集会をとおして『Think Globally、Act Locally』「地球的な視野で考え、地域(身近なところで)行動せよ」を思い起こしました。記念講演では、国内外の情勢や健康権の世界的な潮流について、様々な角度から紐解いて頂きました。確認できたことは「わたしたちの視点は、世界のトップランナーとして位置している」ということだと思う。研修修了報告と活動報告は、新しい「二つの柱と医師養成」の実践であり、様々なヒントが出されました。わたしたち医師集団は「いのち・憲法・綱領」―これは譲れないもので守り拘って行くもの、日常活動そして医師養成に生かすこと大切と思う。今後、各法人・事業所で医師政策の議論と併せ深めて行きましょう。