東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

関東地協
第1回認知症学習交流集会 開催
~患者・利用者本人の意思を尊重した医療・介護実践のために~

 2月2日「全日本民医連関東地協第1回認知症学習交流集会」が東京都千代田区の日本教育会館で開催され、東京、神奈川、千葉、茨城から53事業所、138人の職員が参加しました。
 開会では、実行委員長の宮澤由美汐田総合病院副院長が、「民医連の職員は医療・介護・生活のさまざまな場面で認知症の方をサポートしており、多職種で学べる場を設けた」と挨拶しました。
 今回は、講師に京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 成本迅教授を招き、講演テーマは「認知症の人の医療選択と意思決定支援」です。


本人の思いに寄りそう支援とは

 成本医師は、国立長寿医療研究センターの「認知症の方のご家族を対象とした身体疾患に対する医療の実態調査」報告書から患者家族の不満を紹介。また、臨床現場でよく起きる間違いをあげ、患者の理解力などを確認したうえで、本人の理解力を高めるための工夫として、本人のレベルに応じた表現や文章の長さ、馴染みのある表現への言い換えにとどまらず、「はい」「いいえ」で応じられる論理的な問いかけが必要という話に参加者は耳を傾けました。
 講演後には、薬剤師から副作用の理解が低めな傾向について、看護師からは認知症の告知についてなど、活発な質疑がありました。
 また、成本医師は質疑応答を踏まえて、判断を一任してしまう患者・利用者について、ワインのソムリエは単純な質問からおすすめを提供するというソムリエモデルについて述べ、相手の価値観を確認して支援することが重要との話がされました。

 

13職種がGWで活発に討論
 グループワークは12のグループに分かれ、各グループにファシリテーターを配し、実行委員会が作成した3事例をもとに、13職種が参加してのディスカッションが繰り広げられました。
 参加者の感想文からは、「学ぶことが多かった」「多職種での討議は重要」といった声が多くありました。
 日本はすでに超高齢社会を迎えていますが、2025年には認知症高齢者は全国で700万人、東京では100万人を超えると推計されています。認知症への対応は民医連の医療・介護実践のおおきな課題です。この学習交流集会は、年1回~2回の頻度で継続し、認知症の学習を深めていく方針です。