東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

2019年春の全医師集会
HPHテーマに学習講演会

 4月27日ラパスホールにて行われた2019年春の全医師集会では、「病院・地域で健康を科学するHPH~ヘルス・プロモーティング ホスピタル=健康増進活動拠点病院~」をテーマに学習講演や各事業所の取り組み報告などが行われました。参加者はのべ154人(医師64人、歯科医師14人、看護師3人、事務64人、医学生9人)。
 学習講演は、根岸京田全日本民医連副会長・東京民医連会長より『SDH、HPH、そしてまちづくりへ』と題して行われました。
 WHOの健康への取り組みの歴史、カナダの医師たちから学んだこと、現在のWHOの健康戦略と民医連医療の親和性など交えながら、私たちが共同の営みとして取り組むまちづくりの大切さについて話されました。WHOでは健康とは「心身機能」、「活動」、「社会参加」として定義され、心身機能だけを改善しても成功とはいえません。1970年代に入ってSDH(健康の社会的決定要因)の発見を経て、社会格差やストレスが健康格差を広げている事が明らかとなり、社会格差が健康格差を広げない政治の必要性が求められました。
 東京は2035年には高齢者の独居率が44%。社会的孤立は、これからますます社会全体の重大な健康問題になります。健康的な社会を作るためには住民参加が必須であり、ヘルスプロモーションの定義の主語は「人びとが」であることを意識することが必要です。医療・介護は社会との関係なくしては成り立たず、その活動範囲は拡大しており、健康的なまちづくりに貢献しようとするとき、HPH(ヘルス・プロモーティング・ホスピタルス&ヘルス・サービス) は有効なツールとまとめられました。
 その後各事業所から、取り組みの報告がされました。
以下各報告
 (1)「子どもの食生活事情~4人に1人が“子食”の街」青木綾香・奥野衆史医師(立川相互病院)
 (2)「歯科におけるHPH」石口雄一医師(大泉生協病院歯科)
 (3)第27回国際HPHカンファレンス:ワークショップ「戦争と平和とヘルスプロモーション」
   大野義一朗医師(東葛病院)、向山新医師(立川相互病院)、大野聡美事務(大泉生協病院)
 (4)韓国ソウル視察報告  岡部敏彦医師(東葛病院)
 (5)研修修了者報告
  初期研修2年修了報告  新宅知博医師(大田病院)
  基礎研修5年修了報告  戸田匠医師(立川相互病院)