東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

第42回東京民医連看護介護活動研究交流集会
“その人らしく生きる”とは
406人が参加し、93演題の発表
アーサー・ビナード氏が「憲法」の講演

 6月23日梅雨の真っ只中、第42回東京民医連看護介護活動研究交流集会がクロスウエーブ府中で行われました。今回、初めて介護職部会からも実行委員会に参加してもらい、約1年間かけて共に準備をすすめてきました。
 今回のテーマ「その人らしく生きること~看護・介護・多職種の連携を地域につなげよう」は、実行委員会で「基本的な人権を大切にしていきたい」「地域の中でその人らしく生活するにはどうしたらいいのか?」と様ざまな意見が出される中、決まったものです。当日は、参加者406人。午前中は、詩人のアーサー・ビナード氏による講演、「憲法、なぜいじっちゃいけないの?」。舞台上からフロアに降りて参加者と直接やり取りするなど、予定時間を超過して盛り上がりました。
 歴史に「if」はある。人ごとだと思うと気付かないことも、「if」=「もしも〇〇だったら」と想像をはたらかせ、自分のこととしてとらえることで見えてくることの大切さを学びました。「もしも憲法が変えられたら…私たちはどうなる?」と、私たちへ投げかけられた講演でした。
 参加者からのアンケートでは、アメリカ人のアーサー氏の方が私たちより戦争の被害、東京大空襲や原爆投下のことを語れることに驚いたことや、被ばく者の「ピカ」と「ピカドン」の表現の違いから言葉には「立ち位置」があり、だから「焼夷弾」と「ナパーム弾」のように同じものを違う呼び方をすることで国民の意識をそらすやり方があることがわかった、戦争について改めて考える機会になったなど、良い講演を聞くことができたという多くの声が寄せられました。
 午後からは、5つの分科会と4つのポスターセッションに分かれ、全体で93演題の発表がありました。それぞれの分科会で質疑と共に、演題を通して共感しあったり意見の交流がされたりしました。新たに加わった介護分野からの発表も興味深いものがありました。
 2年ごとに開催されるこの研究交流集会ですが、情勢が厳しくなる中、民医連で働く仲間たちの実践には、いつも勇気と元気をもらいます。現在、どの事業所でも民医連綱領の学習がすすめられていると思います。「誰のために、何のために」ということは、働く私たちのために必要な原点であると思います。悩み、立ち止まる時には民医連綱領と共に、事例から学ぶことを忘れずにいたいと思いました。
(柳原リハビリテーション病院 岩崎ひとみ)