東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 現在、人格や文化の多様性の尊重が様ざまな場面で議論されている▼2016年11月、トランプ氏が米大統領選挙で勝利した時の祝辞でドイツのメルケル首相は、トランプ氏が選挙運動中に女性、メキシコ人、イスラム教徒、同性愛者を蔑むかのような発言を繰り返してきたことに対して、トランプ氏に個人の尊厳を守るように強く迫った▼占領期に制定されたドイツの憲法は、「人間の尊厳は絶対に侵してはならない。政府は、人間の尊厳を守る義務がある」という一文で始まっている▼人種差別や他民族の迫害を繰り返して人間の尊厳を踏みにじった、ナチスの行為を反省し、二度と繰り返してはならないという決意だ▼私たちの政府はどうだろう。政府が国民に対して、個人の尊厳について伝えているだろうか。私は、日本国憲法の最高原理は、個人の尊厳(13条)にあると理解しているが、学校の授業などで個人の尊厳について聞いた記憶がない▼学習ブックレット「民医連の歴史と綱領」のなかで、憲法学者の樋口陽一氏は、『人間の尊厳という、手を触れてはいけない価値がある』と述べている。首相はじめ国会議員が、人間の尊厳を踏みにじるような政治を許してはいけない▼今月、参議院選挙が予定されている。私は個人の尊厳を最大に尊重する政党・候補者に投票したい(理)