東京民医連

ニュース

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

医療・介護の一体的提供の促進を
医療介護活動運動交流集会2019
“「二つの柱」の豊かな実践、多彩な職種から15演題の発表”

 7月27日、東医健保会館大ホールにて「医療介護活動運動交流集会」が開催され、199名が参加しました。東京民医連全体での開催は2017年に10年ぶりに再開して以来2回目となります。
 交流集会は佐藤栄三郎理事と伊藤淳子看護部副部長の司会ではじまり、午前のプログラムは平田理山梨県民医連会長・やまなし勤労者福祉会理事長による記念講演と、根岸京田会長の基調報告、代々木病院精神科デイケアメンバーによるコーラスでした。
 記念講演は心臓外科医であり、社会福祉法人の理事長でもある平田先生から「『二つの柱』の豊かな実践で医療職・介護職の相互理解を深め、医療・介護連携を前進させよう」と題して、医療と介護の双方向からみた医療・介護連携について語っていただきました。
 講演では「医療と介護の“はざま”」の例示として、同一事例(架空)が連携の善し悪しで様々な転帰をとることがわかりやすく語られました。続いて、医療職と介護職の相互理解については、職種間権威勾配が良好な連携を阻害することが強調されました。また、介護現場からの発信としては、生活リハビリや介護の寄り添う力で利用者のADLの改善につながった6事例の紹介を通じて、医療現場での専門職による時間単位のアプローチでは解決できなかったことも、生活の場だからこそ解決できることがあると強調されました。全体を通じて、医療職・介護職の相互理解を深め、医療・介護連携を前進させることは、「二つの柱」の豊かな実践そのものであることが示されました。
 根岸会長による基調報告では、参議院選挙結果、経済的事由による手遅れ事例、東京の高齢化の特徴について触れつつ、現在の情勢について語られました。
 午前中の最後に、代々木病院精神科デイケア、ハートビートコーラスにより「a life for me」と「民衆の歌」が披露され、参加者から感動をもって大きな拍手が寄せられました。
 午後は、各ブロックから推薦された15の演題の発表がありました。発表者の職種が看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・歯科衛生士・精神保健福祉士・介護福祉士・事務と多彩であるのが今回の特徴で、様々な分野の民医連らしい活動が報告されました。
 また、「気になる患者をSDHの視点で捉えて見えてきた課題」「SDHの視点を使った患者さん理解と支援」など、SDHの視点からの発表が数多くあったことも今回の特徴でした。
 井上均県連副会長の講評では演題発表の全体的な講評とともに、午前中の記念講演との関連で、医療現場で解決できなかった嚥下困難な事例を、生活リハビリや介護の寄り添う力で解決したという、自らの経験を通じての介護分野へのリスペクトが語られました。
 最後に、全日本民医連の評議員方針(案)に「医療・介護の一体的提供を促進するしくみが必要です」との記述に対して、今回の交流集会はそのための実践のひとつとなったことを全体で確認して交流集会は終了しました。


(拡大)