東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 昨今マスコミなどを通じ、日本の「おもてなし文化」は世界から尊敬されているとか。サッカー会場のゴミを拾う若者の姿をとらえ、日本人は道徳的で優秀だともてはやす論調が目立つ。確かに負けた試合の後、黙もくとゴミを拾う姿は、同じ日本人として感動を覚え、旅先の宿の心遣いに癒されるのも事実である▼しかし私たちは、そういった良い面だけを見て、誇張し、満足感に浸ってはいないだろうか?ハロウィンの渋谷では同じ日本の若者が街を汚し破壊している。いじめの件数は過去最高を記録し、何と教師が集団で同僚をいじめる事態に至っている。日本人の賞賛される道徳的行動は、弱者を守りともに幸福を目指す働く者の文化によって育まれてきた。一方の数かずの非道徳的行動は差別が横行する否定的な環境を背景にしている▼今私たちは、道徳的な面と非道徳な面を客観的にとらえていかなければならない。いつしか日本人は多民族に比べ優秀な民族だと勘違いしてしまわないだろうか?これが権力に利用されれば多民族を侮辱する排外主義に行きつくかもしれない▼今の嫌韓の風潮は?「韓国悪し」を権力が発信し、マスコミがあおり、国民が思い込んでしまう状況になっている。これはかつてアジアを侵略していったあの状況に酷似しているように思えてならない。(ま)