東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

年頭にあたって
東京民医連会長 根岸 京田

 東京民医連の職員、共同組織のみなさま、明けましておめでとうございます。
 綱領改定から10年を迎えるにあたり、全日本民医連から提起された綱領学習大運動は、ここ東京でも全事業所で取り組まれました。新自由主義政策のもと社会保障制度が後退させられ、医療・介護を取り巻く環境はますます厳しさを増しています。ともすれば本来の目的を見失ってしまいそうな状況の中、民医連の歴史や綱領の成立過程を振り返ることで「誰のために何のために」という原点を思い起こさせてくれた取り組みでした。

 

人権のアンテナを高く掲げて

 安倍政権は憲政史上最長の政権となり、相次ぐ不祥事による閣僚の辞任、「森友・加計学園」や「桜を見る会」の問題についての隠蔽工作など、横暴さが際立ってきました。しかも安倍首相は改憲を諦めてはいません。都合の悪いことを隠し、政治を私物化し、平然と嘘をつく内閣が、どうやって「美しい国」や道徳を子供たちに語るのでしょうか。市民の力を結集して安倍政権を退陣に追い込み、嘘と欺瞞にまみれた政治を刷新しましょう。
 医療と政治の関係は古くて新しい問題であり、民医連職員といえども若者の投票率の低さは大きな課題です。本来、政治とは永田町の権力争いのことではなく、もっと身近なものです。例えば、病気に苦しむ人を減らすために健診受診率をあげたり、医療へのアクセスを容易にしようとすれば、それには政治の力が必要です。
 19世紀の偉大な病理学者であり政治家であったフィルヒョウは「医療は政治であり、政治とは大規模な医療に他ならない」と述べています。SDH(健康の社会的決定要因)をはじめとして人びとの健康と社会経済状況の関係が明らかになってきた現在、政治を語らない医療・介護・福祉は無責任です。

 2020年はオリンピックイヤーでもありますが、東京都知事選挙が行われる年でもあります。衆議院選挙も遠くない将来に行われます。投票に行くことは最も簡単な政治参加です。民医連は現場を大事にし、現場から課題を取り出して対策を練り、行動してきました。現場主義を継続しながら、人権のアンテナを高く掲げ、新しい時代を切り開いていきましょう。
 今年も東京民医連をどうぞよろしくお願いいたします。