東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

東京民医連初の企画 医療・介護倫理交流集会
臨床倫理を学び深める
 ”モヤモヤを話し合う場をもちたい”

 2月15日、TMR研修センターにて東京民医連医療・介護倫理交流集会が開催され、各法人・事業所の倫理担当者を中心にさまざまな職種62人が参加しました。54期発足した東京民医連医療・介護倫理委員会のもと「医療・介護活動の2つの柱」を実践し、医療・介護の質の向上をめざし、人権を真正面からとらえようと、東京民医連初の企画として開催しました。

 

東京勤医会新松戸診療所栄原智文所長が学習講演

 交流集会では、今泉貴雄医療・介護倫理委員会委員長から主催者挨拶を受け、根岸京田会長(全日本民医連医療介護福祉部長)から全日本民医連の取り組みが紹介され、「倫理とは何か」の問題提起がされました。
 続いて、現状を掌握するために医療・介護倫理委員会が実施した倫理委員会のアンケート調査の概要を報告しました。そして栄原智文新松戸診療所所長から「臨床倫理のすすめ」と題した学習講演をいただきました。講演では臨床倫理4分割法をわかりやすく解説していただき、実際に先生が経験された事例をもとに倫理カンファランスの大切さをお話しいただきました。
 その後、指定報告として、菊池勉みさと健和病院医療安全管理者と、立道かおり大泉生協病院管理師長よりそれぞれの倫理委員会の活動報告をいただき、職域ごとに9つのグループに分かれてグループワークを実施しました。
 「モヤモヤしていてもいい、モヤモヤをチームで共有することが大事なこと」「ガイドラインをもう一度よく見てみよう」「4分割法で足りなかった情報が見えてきた」「むずかしいけど楽しい」など感想が寄せられました。
 はじめての医療・介護倫理交流集会は、みんなで「モヤモヤ」しながら臨床倫理を学び深めるひとときとなりました。
(中野共立病院 澁谷直道)

 

参加者の感想から

 看護師:「一人で決めない」「一度で決めない」ことが大切だと学びました。当病棟でもDNARや認知症の人の意思決定支援が大きな課題であり、多職種、家族、本人で話し合いを重ねていける場をつくっていきたいと思います。
 医師:「臨床倫理の困難さ」「原理的な回答は存在しない」という話は倫理問題の本質として考えさせられました。問題提起として当面の課題、論点を助言していただき参考となりました。
 ケアマネジャー:倫理カンファレンス、モヤモヤを話し合う場を折にふれ持っていきたいと思いました。4分割表をもとに話し合う機会を持ちたいと思います。
 介護福祉士:立ち止まって悩み、議論を重ねながら自分の頭で考えることが大事だと改めて感じました。在宅介護は利用者・家族それぞれにこだわりや要求が強い場合があり、幅広い対応が求められていると思います。
 SW:四分割表の書き方、倫理について整理できました。「不確実性に耐えうるプロフェッショナリズム」。SWは日び不確実なことへの対応が多いので大切な力だと思いました。