東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

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 9月3日、ユニセフは38か国の子供の「精神的幸福度」を発表。日本の子供は37位と下から2番目だった。偏差値など数値で管理され、のびのびと育つことが難しいことも要因ではないだろうか▼数値で管理されているのは子供たちだけではない。診療報酬の分厚い点数本では数値による管理が貫かれている。2006年に7対1入院基本料が導入され看護師配置数の計算が厳密化された。慢性的な看護師不足の中、師長室は看護師数の管理に相当のエネルギーを割かれている▼2008年、「重症度・看護必要度(患者状態の点数化)」を7対1病棟で毎日評価することが求められ、今日、対象病棟は拡大している。看護現場は毎日相当な時間を割いて「A項目○点、B項目○点」と患者を評価している。この数値が医療や看護の質向上に用いられるならともかく、実際は医療費の抑制に使われている(厚労省は机上で当該病棟を増減できる)▼基準が維持できなければ大きな減収になるので数値に合う患者の選択が迫られ、患者に寄り添い「自然の治癒力」を引き出したいと思う医療従事者は疲れ果ててしまう。診療報酬や介護報酬の改定には、点数増だけでなく、その根本にある考え方に対しても改善を要望していく必要がある。(N)