東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

地域を守り、民医連事業所を守るために「たたかう経営」をすすめよう
医科法人経営検討会を開催

 感染が続いているなか、昨年までの経営検討会とは違い、今年は各法人予算大綱に着手する前の11月に、医科法人経営幹部と診療所事務長を対象とし、テーマごとに実参加とWEBを併用した検討会を2回開催しました。
 今年はコロナ感染の影響を受け、これまでに経験したことのない厳しい経営のなかで、今後の出口戦略を検討するうえで重要な検討会となりました。今回は(1)コロナウイルス感染症に立ち向かい、国民のいのちと健康を守るために事業活動と経営の継続、(2)下期以降の課題を明確にして2021年度予算づくりに入る、(3)すべての医療と介護事業所への感染に伴う損失の補償を共同組織と共に求めることを開催の目的としました。
 11月14日の1回目では、千葉啓公認会計士からの問題提起として、(1)「コロナ禍においても必要利益は変わらない」、(2)下半期の取り組みの実践が2021年度予算に繋がる、(3)法人で決算予想を作成すること、(4)補助金の終了後に成り立つ経営、新入院確保の課題を中心とした「出口戦略」を明確にすることの4点が出されました。
 内田寛大阪淀川勤労者厚生協会専務の講演では、(1)命・民医連綱領・憲法を握って離さない、(2)信念をもって「ぶれない」ことが大きな目標を達成する鍵となる、(3)その地域において民医連医療を存続させていくための取り組み、(4)「できないこと」探しではなく無いなら作る。行き詰った時こそ原点に戻る、(5)「法人合同」を県連の長期計画に位置付ける。そしてこれらの実行には「何のために、誰のために、誰による」かという視点が大切であることが強調されました。
 今井晃事務局長のまとめで、(1)地域とともにたたかい減収補填を勝ち取る、(2)資金繰りに重点を置き、必要な見直しと事務幹部が理解する、(3)予算未達の対策として月中の予算到達の管理、月次決算の分析とともに収益に合う費用管理の徹底、(4)わかりやすい月次報告のもとで全職員参加の経営を貫く、(5)今回の検討会を契機とし、さらに民医連運動を強め民医連事業所を守る、などが確認されました。
 21日の診療所経営検討会では、埼玉の鹿野睦子大井協同診療所事務長、福岡の瀬尾直哉千鳥橋病院附属城浜診療所事務長、小林はるみ健友会副看護部長の3人の講演・報告がされ、どれも1回目の講演の内容と重なることの多い講演となりました。
 地域を守ることを方針に掲げ、長期計画の実践として、全職員で作り上げた年度方針をぶれずにやり抜く管理部の姿勢が重要であり、これまで以上に医療の質を上げ、結果としてコロナ禍においても以前と変わらない外来、入院、在宅の医療活動を維持し、同時に経営も改善させる。以上のことが確認できた検討会となりました。
 今回の検討会のもう一つの目的である、診療所における部門別損益管理の実践では集約されたデータの分析も行われ、さらなる充実と活用がカギとなります。このような厳しい時だからこそ基本に立ち返り、地域を守り、民医連事業所を守るために「たたかう経営」をすすめることを確認しました。