東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

稼ぐ力高める大型開発都政から福祉増進を第一にすえる都政へ
東京民医連東京都議会議員選挙アピール
東京民医連 会長 根岸 京田

 職員、共同組織の皆さん
 7月4日投票で、東京都議会議員選挙が行われます。
 昨年から続く新型コロナウイルス感染症はまだ収束が見通せません。日本では、PCR検査の抑制やGoto事業をはじめ、科学を軽視した政府や東京都の対応により感染が拡大しています。さらに8割を超える中止・再延期の世論を押し切って感染拡大や医療崩壊の危険を高める東京五輪を強行しようとしています。
 全国で最も感染が激しい東京都の感染者数は15万人を超え、都民の1%に達しました。その中で、すべての人びとのいのちと暮らしが脅かされています。特に非正規で働く女性やひとり親世帯、高学費に置かれている学生などが生活に困窮しています。また、医療や介護、福祉の現場で働くエッセンシャルワーカーは常に感染の危機にさらされ、事業所は経営困難に直面しています。
 コロナ禍の危機を乗り越えていくためにも、都政のあり方を「稼ぐ力を高める大型開発の都政」から「(地方自治法の)福祉の増進を図る役割を第一にすえる都政」に転換することが求められています。
 私たちは、これまでも切実な要求に基づく粘り強い運動で政治を変えてきました。
 〇喘息の患者さんの命がけの運動でできた東京都大気汚染医療費助成制度(2008年)。
 〇保育園増やせ!の声が届き、2013年からの7年間で認可保育園を1410か所増。
 〇コロナ禍の中で、生活保護の利用を「国民の権利」と政府が明言。
 私たちは、この都議会議員選挙で「都政への提言~一人ひとりのいのちと健康を守る都政へ~」を掲げます。その実現のために行動していきましょう。
 (1)都政についての学習の機会をつくりましょう。県連で作成するリーフ、DVD(15分程度)、候補者アンケート(ホームページに掲載)や、各法人・事業所で作成する学習資料をご活用ください。
 (2)患者さんや利用者の方にも東京民医連のチラシを配布し、都政に対する要求を広げていきましょう。また、投票行動を呼びかけましょう。
 今回の都議選は、秋までに行われる衆議院選挙に大きく影響します。「うそや忖度」がまかり通る政治が続き、「政治は変わらない」とあきらめる気持ちも生まれています。しかし、そうした政治を変え未来をつくるのは、わたしたち主権者です。
 衆議院選挙では、人権やジェンダー平等を掲げる市民と野党の共通政策をいっそう豊かにし、自助を押し付けて社会保障を脆弱化させてきた社会から、人権としての社会保障を充実させて一人ひとりが個人として尊重される社会への転換をめざしていきましょう。
 まずは、都議会議員選挙で主権者としての意思を投票で示していきましょう。


都政に期待すること介護職員不足への根本的対策を
健和会
漆原 沙織

 今の東京は、コロナ感染拡大とオリンピックの開催で振り回されている感じです。将来が見えないと思っている方も少なくないと思います。
 介護分野へのコロナ感染対策の支援も、付け焼刃ではないか?と思わざる得ません。感染症対策を徹底したうえでサービスを提供するために必要な経費の支援や職員への慰労金などです。
 感染防止のための掛かりまし経費は事業所として助かりましたし、慰労金も職員たちは大変喜んでいました。しかし、介護分野での大きな問題点は介護職員不足で、この職員不足に対して根本的な対策となる新たな一手は見られない都政だったと感じます。
 都議選では、その場しのぎの政策ではなく、私たち介護職員にもわかる言葉で、「未来の東京都を〇〇します、そのための〇〇が必要です」と言ってくれる候補者に投票したいと思います。
 東京都の未来をよくするためには、自分の目で見て、自分の耳で聞いて、調べて、自ら投票に行くことがいちばん重要だと思います。

 

都立病院の直営保健所の増設を
ゆたか診療所
斎藤 明日香

 年末年始に襲来した第3波の頃、東京都の医療は危機的状態でした。医療現場は限界に達し、コロナに関係なく、緊急入院を必要とする患者の受け入れを10件以上断られる、やっと繋がっても、高度な医療はできないことを条件とした受け入れでした。
 また、複数の高齢者施設ではクラスターが起こり、重症化しても入院先がなかなか決まらず、保健所は対応に難渋しておりました。職員たちは命の選別があっていいのかと、辛い思いでした。
 東京都政に期待することは、充実した医療を提供できるように、コロナ病床確保における支援、医療機関の減収に対する財政支援、病床数の拡充、都立病院の直営、保健所の増設です。また、オリパラ開催の見直しを行い、PCR検査の拡充、スムーズなワクチン接種の体制確保など命を守るコロナ対策を優先して欲しいです。
 東京都議会議員選挙の候補者の方がたに要望します。誰もが安心して豊かに暮らせるように幅広い世代の都民の声を聴き、雇用を守り、保障と支援が行き届くように対策をすすめて下さい。

 

一人一人が大切にされる都政を
三多摩健康友の会国立支部
小倉 順子

 私は現在70歳です。北海道の高校在学中に、東京に革新都政が誕生したと聞き、“すごい”と思ったものです。
 卒業して東京で准看護師となり、開業医を経て民医連の診療所で働くようになりました。そして、高齢者の医療費が無料ということを目の当たりにしました。
 外来に来る高齢者が、安心して医療を受け、高齢期を明るく過ごしていることに驚きました。こうした流れは全国に広がり、日本の未来に大きな希望の光が差しました。
 しかし、流れを阻もうとする勢力の革新自治体への攻撃が厳しさを増し、逆流期が続き、医療も福祉も削られました。
 今、あの時代を体験した私自身の高齢化と政治を考える時に、一人ひとりが大切にされる社会とは言いがたい現実に愕然とします。
 都民を政治のおもちゃのように扱う都政にきっぱりとNO!と言い、再び一人一人が大切にされる都政を取り戻しましょう。そのために働いてくれる議員をより多く都議会に送り出しましょう。