東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 プーチン政権によるウクライナ侵略と、民間人への大虐殺は世界中の悲しみと怒りを呼び起こしている。国レベルでの厳しい経済制裁や、かつてない規模の避難民受け入れ、市民による反戦デモなど、世界の良識はたくましくその力を発揮している▼しかし一歩下がって世界を見たとき、ウクライナと同様に人権を奪われ、殺戮の惨禍に苦しみ、闘っている人々が多く存在している。ウイグルでの人権侵害、ミャンマーでのクーデターは記憶に新しい。シリアではロシアの直接的支援を受けた政権が自国民を殺している。そして多くの難民をヨーロッパの国々は追い返し、難民排斥を掲げた勢力が支持を広げている。難民に対してのダブルスタンダードが平然と行われている▼では日本はどうだろう? 世界の動きを見るとウクライナ支援は行われているが、他の難民受け入れはほとんど行われず、国民的な運動の盛り上がりも認めていない。ヨーロッパより状況は悪いかもしれない。日本には戦争をしないと誓い、国際紛争は平和的に解決するとした憲法がある。この憲法をしっかりと土台に据え、世界に対し外交力で紛争を解決する先頭に立つこと、そして人権を奪われた難民を温かく迎え入れる国に成長することが、いま求められている日本の姿ではないだろうか。(ま)