東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 ある日、社会保険事務所を訪れたところ、窓口で市民と所員が大声でやり取りしていた。「今月の年金支給額が少ない。間違っているよ」「いや間違ってないです。支給額が減額されたんです」「俺は知らないぞ。誰がいつ決めたんだ?」「選挙のあとで決まったんです」▼「選挙」とは何か?総務省で次のように説明されている。「選挙は、私たち国民が政治に参加し、主権者としてその意思を政治に反映させることのできる最も重要かつ基本的な機会です」「したがって、その代表者が職務を行うに当たっては、一部の代表としてではなく、すべての国民や住民のために政治を行うことになります」▼七月十日に参議院選挙が行われた。結果は残念ながら与党が大勝し野党が議席を減らすこととなった。原因は様々あろうが単純に候補者や政党の政策で判断されただけでなく、他国間での戦争や選挙演説中の銃撃事件も影響したことは否めないだろう▼今後三年間は国政選挙がない。与党は憲法改正に必要な三分の二を占めたと鼻息が荒い。憲法九条を無力化させて防衛費を国内総生産の二%以上に増額すれば、軍事大国として他国への先制攻撃が可能になる。「軍事対軍事」の道を歩めば、その先には破滅しかない。「俺は知らないぞ」では済まされない危機が現実になりつつある。(穂)