東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

リハビリする透析患者のため

 代々木病院の医療経営構造転換に伴い、透析室も変化を求められました。リハビリと透析ができる病院として地域から期待が大きく、入院透析患者を多数受け入れています。そこで起きる様々な問題について、みんなで考え対応してきました。
 入院透析用ベッド4床では足りないため、外来透析室でも管理することになり、安定している人を外来ベッドへとか、穿刺(せんし)は外来スタッフにも手 伝ってもらい、透析機器の管理は入院スタッフが責任を持つなど、いくつかの約束事を決めました。
 最近、地域連携室を通して入院された方の事例です。
 40代男性のAさんは、元々、知的障害があり、大学病院で透析治療中でした。脳梗塞を発症し、左片麻痺が残りました。入院後リハビリを頑張り、車いす介 助レベルまで改善し退院となりました。透析中は「あと何分ですか?」と3分おきに確認したりしますが、安全に安楽に透析治療が継続できるよう応援しまし た。
 Aさんは、70代のお母さんと二人暮らしです。透析への通院とリハビリのために、当院の近くに(品川区から渋谷区)引っ越してきました。お母さんにも細 かい説明が必要と判断し、ノートを利用したりケアマネージャーと相談し、週1日のデイケアをケアプランに入れ、Aさんの透析療養と家族をバックアップして います。
 3年前に実施した代々木病院の患者動向調査では、透析患者の平均年齢は約64・5歳であり、数年後にはほとんどの人が定年を迎える状態でした。今、夜間 透析の方は職場が近いからという理由で通院していますが、定年後は自宅近くの透析施設に移る可能性が大きいと思われます。長期透析患者は高齢化しており、 通院が大きな負担になっています。
 透析患者がリハビリできる施設は少ないので、今後入院患者は増えていくと思われます。さらに安全に透析ができるようベッド配置や体重測定の方法、必要物 品など環境面を整え、話し合っていく必要があります。患者一人一人について、病棟やリハビリとの連携が重要です。入院患者が増えると、病状も多様化し、透 析中の時間処置も増えていくことが予想されますが、少しずつ前に進んできています。
 これからも、当院でリハビリをして自宅退院をした患者に、外来透析にも通いたいと思っていただけるような援助をしていきたいと思います。
(代々木病院透析室・2010年6月号掲載)