東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

私たち、ずっと応援します

 Aさんは40歳の女性。統合失調症で軽度の知的障害がある。18歳ころ発症、20歳で結婚、30歳で離婚した。仕事は対人関係のストレスから短期でやめ ることが多いが幾つか経験した。病院も幾つか変わり、精神障害者授産施設やグループホームに入居。一人暮らしも試みたが病状悪化で入院している。最近は関 東近県のグループホームに入居中、半年間閉鎖病棟に入院。今年2月に事情があり三郷市に転居、メンタルクリニックみさとに通院することになった。
 住まいはグループホームで、経済基盤は障害年金と生活保護受給。薬は多剤で量が多く、抗精神薬の注射もしていた。体重が90㎏を超え体もつらそうに見えた。
 3月11日、東日本大震災がおきた。不安が亢進し、薬の飲み忘れが目立ち「幻聴がつらい」と訴え見当識も混乱した。世話人さんのサポートでなんとか落ち 着いたが、ゴールデンウイークは世話人体制が手薄になるので2週間みさと協立病院に入院した。
 退院後は、体重も減ったと喜び、外に出て、他のメンバーと交流するようになった。
 しかし、グループホームでは早朝や夜間に他の部屋を訪問したり、電話をかけたり、お金を使い過ぎるなど規律を乱すため、Aさんも入院を希望し、6月から9月まで再入院した。
 退院後は、少しスリムになり表情も穏やかで、毎日デイケアに通うことになった。Aさんは不安の内容を言葉にするのが苦手で、「お金はあれば使いたくなる」という。時間や数的なものを考えて行動することも苦手のようだ。
 目下の悩みは「何を食べていいか分からない」と言う。1日○○円のお金で買い物をするのが難しい。分からないと「もういいやと思い、食べない」と言う。今は一人で過ごしていると不安になるが、人の顔をみていると落ち着くようだ。
 グループホームで決まった時間に世話人さんに声かけをしてもらい、共同の部屋があく時間そこで過ごす。人との付き合い方に慣れストレスの対処の仕方を徐々に身につけてほしい。時間がかかるかもしれないけれど私たちは応援します。
(メンタルクリニックみさと・2011年10月号掲載)