東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

「人間らしい生」を支える

 王子生協病院は、今春、回復期リハビリテーション病棟(回リハ)を開設しました。今回は私が回リハ病棟を選んだ理由を書きたいと思います。
 私は、看護という仕事が大好きです。最初から好きだったわけではなくどんどん好きになったタイプです。皆さんはどうですか? 自分が思い描く看護ができ ていますか? 私は正直できていません。毎日目まぐるしく過ぎています。でも、だから、看護がしたいのです。
 回リハで一緒に働く後輩から「回リハって(看護師は)何やるんですか? やることないですよね? 点滴とかないしリハビリですもんね」と言われ、唖然としました。看護を忘れた看護師がここにもいるということにです。
 今まで、痛いと言われれば「はい痛み止め」、便秘が続けば「はい浣腸」。何時間かすれば結果が出ることで自分たちも満足してきました。それが看護だと思ってやってきたのです。もちろんそれも看護です。でも、それだけでしょうか。
 体交やオムツ交換、陰洗や食事介助、トランスの見守り…。「介護度が高くて介護ばかり」「介護をやりたいわけじゃない」と表現する看護師がいます。その行為が看護でなくなっているのは、患者さんのせいですか?
 私は心の中で思います。私は看護師。科学的根拠をもって実践すること。人間の持つ本来の力を引き出すこと。人間らしく生きることを支えること。だから私 は回リハを選びました。もともとコストに反映されにくい「療養上の世話」―それこそが看護の原点であり、この回リハで証明していけると思ったからです。
 薬物療法に行く前に、看護としてできることがあります。回リハは患者さんの自発性、自立と自律を支援するところです。回リハが開設して1カ月が経ち、やっとスタッフたちは患者さんの動きを見守ることの意味を考え見出し始めました。
 今までやってきたチーム医療や他職種との連携の意味を考え始めました。看護の「技術」が科学的に評価され、私たちのやりがいにつながっていけるといいなと思います。まだまだもっと、看護師としての自分を磨いていきたいです。
(王子生協病院・2013年6月号掲載)