東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

穏やかな最期を看取る

 千寿の郷は52床の小さな老人保健施設です。開設から18年目になりますので、超高齢(100歳以上)の利用者や在宅生活と施設利用を繰り返しながら徐々に終末期に近づいてきている方もいらっしゃいます。
 ご家族から当施設での看取りを希望されたとき、職員・家族間で十分に話し合い、長い年月千寿の郷を利用され、その方にとって千寿の郷が居心地のよい最期にふさわしい場所であると判断した場合は、ターミナルケアを実施していくことになりました。
 ずっと以前も看取りを行っていたようですが、私が赴任した4年半前は行っておらず、改めて指針を作って昨年末から始めました。
 これまで3人の方を看取らせていただきました。ケアワーカーさんだけでなく、看護師も「医師不在時の施設での看取りとは」ということでは、戦々恐々とした状態でしたが、実際の看取りの中で、お一人おひとりから学ばせていただく機会となりました。
 Aさんの看取りは、夜中の1時過ぎでした。私が連絡を受け施設に着いたときには、あらかじめ情報を送りお願いしていた往診専門診療所の医師による死亡確認が済み、娘さんも到着されていました。
 Aさんがとてもきれいな穏やかな表情で休まれており、これから娘さんと一緒に体をきれいにしようというところでした。
 娘さんは「こんないい顔を見られてよかった。兄がなくなってちょうど1年になります。さみしいからそろそろ来てって兄が呼んだのかもしれません」と涙ながらに話されました。
 娘さんには手浴をお願いし、腋下に残っていた温かさを感じてもらいました。その日の夜勤看護師Oさんが、娘さんがきれいなお母さんに会えるようにと、洗髪や顔のマッサージを済ませてくれていたことにとても感激しました。
 娘さんにとって人生最後の母親の顔が穏やかだったか、それはとても大切なことで、最期の場面に立ち会った看護師にはそれができるし、そうしなければならないという思いを強くしました。
(老人保健施設千寿の郷・2013年11月号掲載)