東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

家族一丸となって在宅看取り

 60代の男性で5年前に左肺癌、骨転移。化療の継続から、緩和治療の方針になり当STに依頼がきました。
 めまいやふらつきがあるので、転倒に注意しながら足浴や傾聴で信頼関係を築きながら関わっていきましたが、一度訪問を休みたいと連絡が入りました。次女の手術が控えていることや、家族以外の人と話をすることが億劫になっているとのことで、訪問に行かず様子を見ることとしました。緩和薬や緩下剤の処方があるので訪問診療は定期的にされており、医師や家族、ケアマネから継続的に状態を把握するようにしました。
 約2週間後、夜間に「血を吐いた、救急車よんだ、医者もくる」と。すぐに向かいましたが興奮状態で、起きる寝るを繰り返しており、家族も全員集合されていて皆さん不安になっていたので、薬剤の効果が出るまで付き添うことにしました。
 翌日は朝昼夕に訪問し、家族の指導や傾聴に務めました。末消からの点滴も開始され、以降毎日訪問するようになりました。家族も交代で付き添い泊まり込み、指導を素直に受け入れてもらったので清拭、床ずれの処置、点滴の更新までできるようになっていきました。
 日に日にうとうとする時間が長くなりましたが、競馬の予想が楽しみの一つだったことを聞き、競馬新聞を持参すると大きく開眼し、娘さんたちと予想していました。
 食事をしなくなって1ヶ月以上が過ぎ、家族にお風呂を提案しました。「好きだった。とても喜ぶ!」と。さっそく、医師、ケアマネに連絡して翌日に入浴。家族からも「こんなことができるんだー」と喜んでもらえました。その数日後、安らかに永眠されました。
 約3か月あまりの訪問でしたが、濃密な関りをさせてもらいました。状況変化がおきた時の家族の団結や深い想いに、少しでも力になれ家族の一員にさせてもらったことに感謝しています。
(きょうりつ訪問看護ステーション・2019年10月号掲載)