東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

~多職種連携~ 診療所の特性を生かして

 上井草診療所は5階建の診療所で、2階に外来、3階にリハビリテーション室と訪問看護ステーション、4階にデイケア、5階にヘルパーステーションと居宅支援介護事業所があります。私は外来と上井草エリアの訪問診療の同行業務を担当しています。
 特に訪問診療では、同一建物内のケアマネジャー、ヘルパー、リハビリスタッフ、訪看と密に連携を取り、診療所の近くにある提携薬局とも連携を取りながら、地域に住む多くの患者さんの療養生活を支えています。
 私は多職種と連携を取る際、緊急度を考慮しつつ迅速にかつ的確な情報共有を常に心がけています。
 診療の場を共有していない多職種に患者さんの状態や状況を理解してもらうために、職種によって使用する言葉を選び、「具体的に」伝えることが重要です。
 電話でのやりとりになることが多いのですが、微妙なニュアンスを伝えたいときには同一建物内の各部署に出向き、直接やりとりすることも多々あります。
 そういうことがリアルタイムにできるのが当診療所の特性を生かした強みだと考えています。
 先日、外来の現場でも事務との連携によって、一人の患者さんを精査加療に繋げることができました。その患者さんは70代の独居の方で、ある日、ご本人よりめまいと複視で体動困難のため予約していた腹部エコーをキャンセルしたいという連絡が入りました。
 その連絡を受けた事務が看護に報告してくれ、私から再度ご本人に連絡し、詳しい状態を聴取し、医師に報告相談、近隣の脳神経外科に紹介となりました。後日、ご本人からいただいた連絡によると、MRIで小さな梗塞が3つ見つかり、入院加療で症状は軽快傾向であること、紹介の御礼と「退院後はまた上井草診療所でお願いします」という、嬉しいお言葉をいただきました。
 今後も多職種と密に連携を取りながら、外来と訪問診療双方の現場から地域の患者さんを支えていきたいと思います。
(上井草診療所・2022年7月号掲載)