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「医学生のための卒後研修フォーラム 2003 in TOKYO」概要報告

12月20日(土)池袋サンシャインシティー文化会館にて「医学生のための卒後臨床研修フォーラム2003 inTOKYO」を開催し、全国の大学から5・4年生の医学生を中心に、総勢70名の方々が参加されました。

今回の企画では、厚労省卒研制度ワ-キンググル-プ委員の北村聖東京大学教授による『充実した臨床研修を行うために』をテーマに講演がおこなわれました。講演内容は、新たな研修制度になるまでの歴史について、インターン制度にまでさかのぼってのわかりやすい説明がされました。これまでの研修では、プログラムが不明確であること、施設間格差、研修成果の評価が不十分、処遇・身分が不明確であるといった問題点があり、これらのことを克服するために、新たな制度になったことが説明されました。最後に「充実した臨床研修」を考える上で、(1)どんな医師になるのか、どんな人生を送りたいのか、といった視点で目標を持つこと (2)価値観が違うことを前提に、病院に足を運んで情報収集すること (3)指示待ちではなく、自ら考え、掴み取る研修であること (4)自らの評価が大切であること の4点にわたる問題提起がされました。ここに共通するものは、研修を受ける本人が、主体的に考え、行動するかどうかについて投げかけられていたといえます。講演後、質疑応答のやりとりのなかで、「患者の生活背景も含めて診ているのかが大切」「患者中心の医療になっていること」「プログラムではあらわれない、人権意識など社会人としての成長を身につけられるのかといった隠れたカリキュラムも大切」といったアドバイスがされました。

また、北海道勤労者医療協会(勤医協)中央病院・研修プログラマーの尾形和泰医師から『民医連の考える臨床研修とは』と題してプレゼンテーションが行われました。

全体を通じて、研修医・医学生の情勢が分かり易く説明され、卒後臨床研修に不安を抱える医学生に対して、1つ1つ丁寧に応対されていました。

その後は、立川相互病院、みさと健和病院、東葛病院、王子生協病院、小豆沢病院、東京健生病院、大田病院、中野共立病院、埼玉協同病院、川崎協同病院、勤医協中央病院のそれぞれからアピールがおこなわれ、各ブースにて個別の相談会をおこないました。医学生のみなさんから、研修医に対して、現場でのリアルな様子を聞き取る姿が見られました。

参加者からは、「一度にいろいろな民医連の病院の様子を聞ける機会っていいですね」「地域によってそれぞれの病院の研修のシステムも工夫されているのですね」など、感想が出され、早速、実習に参加を表明された医学生の方もみられました。

今回の企画は卒後研修必修化で自分たち医学生はどうなるのか、民医連の研修を知りたいと関心が高く「より良い医療を目指す医学生と医師のメーリングリスト」などでも話題になりました。

参加者の感想より)

1)記念講演について

1)記念講演について ○臨床研修のことを分かりやすく説明していただいた。今まで臨床研修の事を漠然としかとらえていなかったのが、より明確になりました。この講演が、その後の「民医連の考える臨床研修」を理解するうえで助けになりました。(岐阜5年・女性)

○今まであまり臨床研修について詳しく聞く機会がなかったので、今日の講演は、研修先を決めるための実習をしていくうえで、見るべきポイント、実習をしていくうえで必要な心構えを教えていただきました。もっとも聞きたいところが聞けたと思います。(筑波5年・女性)

○充実した研修を行うのには、やはり、自分次第であることを感じさせられた。研修を行う自分自身が主体となって、その希望にこたえてくれる研修先をこれから考えていきたい。(琉球5年・男性)

2)個別相談会

2)個別相談会 ○研修医の先生から直接お話が聞けたのが良かった

○プライマリケアを中心にターミナルにも力を入れたところが印象的

○どこも研修医を大切にしてもらえそうで、本当に充実した研修医生活がおくれそうに思いました

3)全体を通して

3)全体を通して ○いきたい病院の話が1度に聞けて良かったです。(浜松5年・女性)

○講演も、各病院もとても熱意を込めて現実的な話しをしてくださって、とてもおもしろい企画だったと思います。各病院のアピールタイムがもう少し時間をとってもらえると、実際にブースに聞きに行く時に参考になると思いました。(東北5年・男性)


   


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