東京民医連について

無差別・平等の医療、介護と福祉の実現をめざして

戦後間もない頃、多くの人たちが生活に困窮し、お医者さんに診てもらうことが難しい時代でした。「自分たちがお金の心配なく安心してかかれる医療機関を」と住民や働く人々がお金を出し合って作った診療所が私たちのはじまりです。

今も貧困や格差、不規則、不安定な働き方など医療・介護にかかれない状況があり、人々の健康に大きく影響しています。設立当初から病気を診るだけでなく、もっとも困難な人に寄り添いその社会背景にも目を向けて活動しています。

現在、東京民医連には15 の病院、114 の診療所など300を超える事業所があります。全日本民医連に加盟し、無差別・平等の医療、介護・福祉の実現を目指して地域づくり、健康づくりを進めています。

全ての都道府県に展開する医療・介護・福祉等の事業所の連合体で す。142 病 院、578 診 療 所をはじめ1795 の医療・介護事業所があります(2018 年1月時点)。民医連綱領を一致点に活動しています。

私たちの医療・介護・福祉の実践

差額室料を徴収しません

入院時の差額室料(差額ベッド料)を徴収していません。個室の運用は病状によって医療的必要性によって決定しています。

※差額ベッド料…入院時保険診療の自己負担分の他にかかる健康保険適応外の費用。患者さんが全額負担。

災害支援を続けています

1959年におこった伊勢湾台風をはじめ、災害がおこると全国のネットワークを駆使して災害支援をおこなってきました。2011年におこった東日本大震災では東京民医連から医師88人、看護師109人を含む計580人の職員が支援に行きました。また、全日本民医連として日常的に災害支援に対応できるようMMAT(MinirenMedicalAssistanceTeam)を結成し、いつでも対応できるよう活動をおこなっています。

手遅れ死亡事例調査

全日本民医連では2005年より「経済的事由による手遅れ死亡事例調査」をおこない社会に発信しています。2017年には63例、通算で630例の報告がありました。お金の問題から医療機関を受診できず命を落とす人たちの広がる実態が浮き彫りになっています。

平和と環境を守る

核兵器による被爆者の方や福島原発事故による被害者の健康診査や排気ガスによるぜんそく患者さんの治療などにも取り組んでいます。また、それらを生む原因である核兵器廃絶の運動や脱原発活動、東京大気汚染公害裁判支援など病気の原因をなくす運動にもかかわっています。

共同組織とすすめる医療・介護とまちづくり

共同組織とは民医連とともにまちづくりやあらゆる活動を進めるパートナーです。医療生協の組合員や健康友の会の会員で構成されています。東京民医連も23万7千人の共同組織に支えられています。大切なのは、医療・介護のサービスが切れ目なく住み慣れたまちで安心して暮らせること。地域の人達がどんなことに困っていて大切にしているか知る事が私たちの医療の出発点です。

民医連綱領

私たち民医連は、無差別・平等の医療と福祉の実現をめざす組織です。

戦後の荒廃のなか、無産者診療所の歴史を受けつぎ、医療従事者と労働者・農民・地域の人びとが、各地で「民主診療所」をつくりました。そして1953年、「働くひとびとの医療機関」として全日本民主医療機関連合会を結成しました。

私たちは、いのちの平等を掲げ、地域住民の切実な要求に応える医療を実践し、介護と福祉の事業へ活動を広げてきました。患者の立場に立った親切でよい医療をすすめ、生活と労働から疾病をとらえ、いのちや健康にかかわるその時代の社会問題にとりくんできました。また、共同組織と共に生活向上と社会保障の拡充、平和と民主主義の実現のために運動してきました。

私たちは、営利を目的とせず、事業所の集団所有を確立し、民主的運営をめざして活動しています。

日本国憲法は、国民主権と平和的生存権を謳い、基本的人権を人類の多年にわたる自由獲得の成果であり永久に侵すことのできない普遍的権利と定めています。

私たちは、この憲法の理念を高く掲げ、これまでの歩みをさらに発展させ、すべての人が等しく尊重される社会をめざします。

  • 一. 人権を尊重し、共同のいとなみとしての医療と介護・福祉をすすめ、人びとのいのちと健康を守ります
  • 一. 地域・職域の人びとと共に、医療機関、福祉施設などとの連携を強め、安心して住み続けられるまちづくりをすすめます
  • 一. 学問の自由を尊重し、学術・文化の発展に努め、地域と共に歩む人間性豊かな専門職を育成します
  • 一. 科学的で民主的な管理と運営を貫き、事業所を守り、医療、介護・福祉従事者の生活の向上と権利の確立をめざします
  • 一. 国と企業の責任を明確にし、権利としての社会保障の実現のためにたたかいます
  • 一. 人類の生命と健康を破壊する一切の戦争政策に反対し、核兵器をなくし、平和と環境を守ります

私たちは、この目標を実現するために、多くの個人・団体と手を結び、国際交流をはかり、共同組織と力をあわせて活動します。

2010年2月27日
全日本民主医療機関連合会 第39回定期総会

お問合せ

お問合せ

まずはお気軽にお問い合わせください

随時、お問い合わせ・資料請求などを受け付けております。ご質問、お悩み、ご相談などがありましたら、フォームよりご連絡ください。

お問い合わせフォームへ